造成工事の盛土規制法って何に?

盛土規制法(宅地造成及び特定盛土等規制法)に基づく許可申請は、主に規制区域内一定規模以上の盛土・切土や土石の堆積などの工事を行う場合に必要となります。

自治体によってローカルルールや様式が異なるため、必ず工事各地都道府県または建築市の担当窓口(指導課、宅地指導課など)に事前に確認が必要です。


目次

1.許可申請が必要な工事の概要

許可が必要となるのは、災害防止の観点から特に危険性が高いとされる以下の特定盛土等に関する工事などです。

  1. 盛土で、高さ1mを超える「崖」をできるもの
  2. 切土で、高さ2mを超える「崖」をできるもの
  3. 盛土と切土を同時に行い、高さ2mを超える「崖」を越えるもの
  4. 「崖」を生み出さない盛土で、高さ2mを超えるもの
  5. 上記のいずれにも該当しないが、盛土または切土をする土地の面積が500m²を超えるもの
  6. 土石の堆積で、最大高さが2m超かつ居住が300m²超となるもの、または地域が500m²超となるもの

※「崖」とは、地表面が水平面に対して30度を超える角度をなす土地で、硬岩盤以外のものを通行します。(定義は自治体により詳細が異なる場合があります)


2.許可申請の主に必要な書類

許可申請には、主に以下のような書類が必要となります。これは一般的なリストであり、自治体の決定様式や添付図書の確認が必要です。

分類済み主な提出書類(議事・細則様式)添付図書(設計図書など)
申請書類許可申請書(様式第二:宅地造成又は特定盛土等に関する工事)設計図書(工事の計画図、地質調査報告書など)
資金計画書(様式第三)公図の写し、登記事項証明書、土地利用計画図
工事主の資力・信用および工事遂行者の能力に関する申告書土地の測量図(現況、造成後)
同意・承知土地所有者等の同意書(土地使用許可を証する書類)排水計画図構造物(擁壁など)の構造図・計算書
周辺住民周知報告書(説明会の開催・書面配布などの報告)現地の写真(事前)
その他設計者の資格に関する申告書
誓約書(暴力団員等でないことなど)

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3. 許可申請の一般的な手順

盛土規制法に基づく許可申請は、以下の流れで進められます。

ステップ1:事前調査・相談

  1. 規制区域の確認: 計画地が都道府県知事等が指定する規制区域内にあるかを確認します。
  2. 許可の要否確認:計画している工事が上記の許可対象工事に該当するか確認します。
  3. 窓口への相談:担当窓口(例:県土木事務所、市役所建築指導課)へ行き、計画概要を説明し、必要な手続き、方式、技術基準について相談します。
  4. 地盤調査の実施: 適切な地盤調査を実施し、地盤改良の要否や盛土・擁壁の設計に必要なデータを取得します。

ステップ2:設計・申請準備

  1. 設計:盛土法法技術基準(擁壁、排水施設、盛土の締まりなど)に適合するように工事の設計を行います。
  2. 周辺住民への周知: 工事開始前に、周辺住民に対して工事計画の説明会の開催や書面配布などを行い、周知を図ります。
  3. 必要書類の作成: 上記の許可申請書や添付書類など、すべての必要書類を作成します。

ステップ 3: 申請・審査・許可

  1. 許可申請:担当窓口へ作成した書類一式を提出します。
  2. 審査: 提出された計画が、技術基準、資金計画、無効能力などの許可権を満たしているか審査が行われます。
  3. 許可: 審査に合格すれば、都道府県知事等から許可証が渡されます。

ステップ4:工事・検査

  1. 工事の事前:許可を受け、工事現場に予告を示してから工事に備えます。
  2. 定期報告・中間検査: 工事中は、進捗状況の定期報告や、必要に応じて中間検査を受けます。
  3. 検査: 盛土等が完了した後、完了検査申請書を提出し、現地での検査を受けます。
  4. 検査済証の送付: 検査に合格すれば、検査済証が送付され、一連の手続きが完了します。
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この記事を書いた人

「はじめまして。当ブログは、基礎工事・舗装工事・土木工事を専門とする外構業者が運営しています。
安心・安全な建物や道路を支えます**「見えない部分」の品質**にこだわり、32年じっくり地域密着で事業を展開してきました。
基礎工事から駐車場、アプローチの舗装まで、長年の経験に基づいた確かな技術で、お客様の暮らしと財産を守ります。このブログでは、プロの視点から、工事の重要性や失敗しないための知識を発信していきます。工事に関するご質問やご相談もお気軽にどうぞ!」
保有資格例: 1級土木施工管理技能士、1級建築施工管理技士

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