擁壁工事と隣地境界線のトラブル防止

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擁壁工事と隣地境界線:トラブル防止を進める

擁壁(ようへき)工事における隣地との境界線の進め方について、トラブルを防ぐためのポイントを解説します。 最も重要な事前の確認と隣地所有者との合意形成です。


1.事前準備:境界線の明確化と擁壁の確認

擁壁工事を進める前に、まずは以下の点を明確にしましょう。

  • 確定測量の実施: 境界杭が不明確な場合は、土地家屋調査士に依頼して確定測量を行い、公的に境界線を定めることが極めて重要です。境界の位置が不明確なままだと、後々大きなトラブルの原因となります。
  • 擁壁の所有者確認: 存在の擁壁がある場合、それが誰の所有物なのか、また境界線にまたがっているのかを確認します。擁壁が境界にまたがっている場合や、地上隣接地盤を支持構造物である場合、補修・維持管理の費用負担などについて協議が必要です。
  • 擁壁の認可確認: 既存の擁壁について、**建築基準法上の認可(検査済証)**の立地を調べましょう。不適格擁壁の場合、再建築の制限などを受ける可能性があります。

2.隣地所有者との協議と合意形成

工事をスムーズに進めるためには、近隣住民との適切な交渉が必要です。

  • 丁寧な説明:
    • 工事の目的と内容(なぜ擁壁工事が必要か、どのような工事を行うか)
    • 工事期間と日程(特に音や振動が発生する時間帯)
    • 境界の位置(確定測量図などに基づいて説明)
  • 覚書(合意書)の作成:
    • 擁壁の所有者、管理責任、費用負担などについて合意した内容は、約束口ではなく**覚書(合意書)**として書面で残し、お互いに保管しましょう。
  • 隣地への立ち入り:
    • 擁壁工事では、補強やつくり直すために隣地への立ち入りが必要になることがあります。法的には、第209条により工事に必要な範囲内での約束で立ち入り可能です。

3.トラブル発生時の対応

当面では解決できない、または近隣住民が非協力であるなど、トラブルが発生した場合は、専門家への相談を検討します。

  • 法律の専門家: 境界やすべての権限、工事の中止命令などの法の問題が絡む場合は、弁護士などの法律の専門家に相談します。
  • 裁判所:隣地所有者が工事に必要な立ち入りを拒否し、どうしても必要な場合は、裁判の解決までにその承諾に代えることができる場合があります。

この動画では、隣地が擁壁をやり替える場合に、自分の土地の安全を守るために注意すべき点について解説しています。【必見】隣が擁壁をやり替える場合の注意すべき「2つのこと」

【必見】隣が擁壁をやり替える場合の注意すべき「2つのこと」 – YouTube

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この記事を書いた人

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安心・安全な建物や道路を支えます**「見えない部分」の品質**にこだわり、32年じっくり地域密着で事業を展開してきました。
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