目次
🌾 農地を宅地にする前に「農地転用許可」が必要な理由

1. 【法律で厳しく保護されているため】
日本では、農地法という法律で農地が保護されています。
これは「食料の安定供給を守る」ことが目的で、農地を簡単に宅地や駐車場などに転用できないようになっています。
そのため、
- 家を建てたい
- 駐車場や工場用地にしたい
- 倉庫を建てたい
といった場合でも、事前に農地転用許可を取らなければなりません。
2. 【無許可転用は違法】
許可を受けずに農地を宅地にした場合、
- 原状回復命令(元の農地に戻せ)
- 罰金(最高で300万円)
などの行政処分を受ける可能性があります。
また、土地登記や建築確認も進まないため、
結果的に家を建てられない・売却できないなどのトラブルになります。
🏠 農地転用の申請方法(宅地造成前に行う)
転用手続きは、農地の所在地を管轄する農業委員会に申請します。
手続きの流れは以下の通りです。
【1】申請区分を確認する
農地法では、転用の形態によって申請先が異なります。
| 区分 | 内容 | 申請先 |
|---|---|---|
| 第4条転用 | 自分が所有している農地を、自分で宅地などにする場合 | 市町村の農業委員会 |
| 第5条転用 | 農地を売買・賃貸して他人が宅地にする場合 | 市町村の農業委員会(→知事許可が必要な場合も) |
※「農地法第4条」「第5条」のどちらかに該当するかを最初に確認します。
【2】申請書類を準備する
主な提出書類は次のとおりです。
- 農地転用許可申請書
- 登記事項証明書(登記簿謄本)
- 公図・地積測量図
- 位置図・現況写真
- 計画平面図・造成計画図
- 建築計画書(建物を建てる場合)
- 申請者の印鑑証明書
【3】農業委員会への申請と審査
申請は毎月1回程度の受付締切日があり、
その後、現地調査・審査を経て、1~2か月程度で許可・不許可が決定します。
【4】許可後に宅地造成・建築へ進む
許可を得てからでないと、造成工事や建築確認申請はできません。
造成工事が完了したら、必要に応じて**地目変更登記(農地→宅地)**を行います。
🗾 県知事または農林水産大臣の許可が必要な場合
農地の場所や面積によっては、市町村の農業委員会だけでなく
都道府県知事または農林水産大臣の許可が必要な場合があります。
特に以下の条件は注意です:
- 「農振農用地区域(農業振興地域)」にある農地は原則転用不可
- 面積が広い場合(例:4ヘクタール超)は大臣許可が必要
✅ まとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 許可が必要な理由 | 農地は法律で保護されており、勝手に転用すると罰則がある |
| 許可のタイミング | 宅地造成や建築前に必ず申請 |
| 申請先 | 農業委員会(市町村役場内) |
| 主な書類 | 申請書・図面・登記簿・写真など |
| 期間 | 約1~2か月(地域差あり) |
| 注意点 | 「農振地域」内は転用不可が多いので要確認 |
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